悪人ばかり出てくる小説を書いた作家が、同じぐらいの悪人なのかどうなのかという話

2016年07月01日 16:18

 以前ツイッターでちょっと触れた、「作者本人と作品世界の関係性」の話について。

 あくまで「僕が考えるところ」、ね。




 僕は書く側であると同時に読む側でもあるので、純粋な読者の気持ちはわからないのだが、仮に、極悪人ばかりが出てくる話(極道物とか)があったとして、みなさんは作者自身も悪人と思われるだろうか。
 僕が読む側だったら、話の内容にはギョッとするかもしれないが、作者の方と同一視はしない。あくまで架空の話だし、作者と別物だということは本人(僕)もよくわかってるし。
 ただ、作者の素の文章にまでそんな話題が出てきたら、さすがに、


 ……


 とは思うけど。



 ツイッターでも書いたように、作者と作品キャラは別物なので、キャラがどれほど悪人であったり悪いことをしたとしても、作者とは一切関係が無い。(と思う)
 有名なたとえ話だが、もし作者と作品キャラが同一なら、推理小説の作者は犯罪者しかなれないことになる。
 また、作品中では、かなりエグいシーンをお書き(描き)になる創作者の方のツイッターが、意外に気さくで、面白文章であふれているのもよく見かける。


 僕自身で言えば、調教物のゲームのシナリオを書かせていただいたころ、ライター(僕)自身がそういうプレイが好きでしょうがなくて、担当することになった、と思っている人がおられたかもしれない。
 しかしながら、本人の性格は基本的に

 こう  ある。


 モラルのない人、いわゆる悪役を自作に登場させる場合は、「こんな悪いことをしたい」という欲望があって書くというよりは、「このストーリーだとこういう(悪役)キャラになるのかなぁ」という、一歩引いたポジションで書いている。
 ただ、その出所(でどころ)は確かに僕の頭の中なので、無意識のうちに僕の考え方というか「僕が考えるところの悪役」は出てしまうかもしれない。


 僕の場合は、悪役が中途半端だとストーリーが引き立たない気がするので、私情は交えず、悪いキャラの場合は容赦なく悪事をさせることが多い。
 もちろん、善人を書くのも同様で、「自分をそのまま出す」ということはほぼ無い。(善人ではないからということもあるけど)
 いずれにしても、別キャラだし。


 このシステム、説明が難しいのだが、

 僕の中に数人の「劇団員」がいて、それぞれが主人公・敵役・助力者・モブなどを演じている

 ……というとわかるだろうか。
 劇団員なので「別の人」設定ではありつつも、大元は同じ人なので、それを生み出した(作者)の個性が出てしまうというか。

 他の作者のことは知らないけど。




 一般の……つまり非創作者の方は、「小説って(実録物でない限り)ウソ書いてるんでしょ」と思われるかもしれない。
 それはそうなんだけど、むしろ、作者自身の言葉よりも創作のほうが真実を語っている場合もある。

 実際の人間関係では、嘘とまでは言わないけれど、社交辞令的な言葉は誰しも口にするだろうし(まれにしない人もいるけど)、言いたいことも胸の中にしまっておくということもよくある。
 しかし、これが創作だと、「あくまで別のキャラが言っていることです」という言い訳ができるので、作者が胸の内に普段しまっているコトを言わせるのも可能。
 だから、本人の言葉よりも創作のほうが、作者の本質が出ていることもままありうる。


 もちろん、作者も性格が良くて、作品内容も面白い、というのがベストだとは思うけど、僕の持論に、「聖人君子の書く創作は面白くない」というのがある。

 ぶっちゃけて言えば











 やめておこう。



 一方で、作家はそれこそ嘘をつくのが商売みたいなところがあるので、文章上で語られる本人のキャラと実像は、もしかしたら別かもしれない。

 もちろん僕も……。





 あまりピンと来ない人は、たとえば一つの方法として、何らかの創作をしてみる、のはいかがかと。
「生みの苦しみ」を味わってみると、作者側の気持ちが少しわかるかもしれない。
 さらには、それを発表してみるのもいいだろう。
 これまで叩いてばかりだった人が、逆の立場になると、叩かれる気持ちがわかるかもしれない。


 もちろん、大絶賛を受ける可能性もなきにしもあらずだが。





 どう?



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 ※情報ご提供ありがとうございました。


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