まるちゃんとぼく

2018年08月27日 22:21

 突然、今日の夜飛び込んできたニュース。

 漫画家 さくらももこさん死去 「ちびまる子ちゃん」の作者

 ショックというより
 呆然。



 前々から書いているが、僕はエロ小説書きでありながら(そして、それなりの年齢でありながら)、ほのぽのホームドラマ・アニメが大好物である。

『ちびまる子ちゃん』もその一つ。


 どれだけファンだったかについて、かつてブログで書いたと思ったのだが、今、ちょっと見つからないので、あらためて書く。


 30代後半以上の人は覚えていると思うが、まる子のアニメが始まったときは大変なブームとなり、バブル景気真っ最中ということもあって、世の中みんながピーヒャラピーヒャラ言っていた。

 その勢いで、劇場版も制作されることとなり、いい年であった僕も、当時在住していた東京で、映画館に足を運んだ。
 あまりにもブームだったので、ちょっとノリで見に来ましたみたいな顔をして。
 なぜだか電話100年を記念して制作され(当時のスポンサーの一つがN●T)、最後のエンディングでずらりとN●T各社の社名が並んだのが違和感

 で、二作目、『ちびまる子ちゃん―わたしの好きな歌』 。
 このころ僕は人生に迷い始めていたのだが、それでも観たくて、冬休みに帰った地元の映画館に足を運んだ。
 ところが、そこの係員の男が、「いいんですかっ、ちびまる子ですよっ」としつこくしつこく僕に念を押す。

飛田「いいんです……(ボソボソ)」
係員「いったん入ったら(入れ替え制なので)次の映画は見られませんよっ」
飛田「……いいんです……」
係員「あっ、(同時上映の)寅さんが観たいんですねっ」
飛田「……(いいかげんにしてよぉ)」


 今でも覚えている。
 で、やっぱり館内は子供と母親だけだったが……。



 ブームはさらに続き、なんと翌年、さくら先生は実写ドラマ『さくらももこランド・谷口六三商店』の脚本を担当。
 これはまる子とは関係のない、下町のせんべい屋を舞台にしたほのぼの(でやや癖のある)ホームドラマ。

 こちらは大ブームになったとは言えないが、今は美人女優として知られている夏川結衣さんがおバカ姉ちゃんを演じて、それがまたハマっていた。


 エッセイも執筆。
 まる子と同じく日常のささやかな出来事、それも女性なら隠しておきたいであろう事柄をあえてさらけ出し、笑いを取るという、独特の文体。


 特に健康マニアであることは有名で、それをまるまるテーマにしたエッセイを出したことも



 だからこそ、なぜ……という思いが。



 あくまで個人的な事情だが、ブーム時のまる子は僕の青春時代と重なっていて、その意味でも特別な思い入れがある。
 そして、長谷川町子先生も臼井儀人先生も亡くなってしまったが、「まる子=さくらももこ」でもあるので、その時とはまた違う受け止めが。



 僕も「ご冥福を」なんて言えない。
 早すぎる……。

気になる? 気にならない?

2018年08月08日 22:53

先日のアンケート結果!


【質問】好みの作品(小説・漫画)を見つけたあなた。ファンになったあなたはさっそくその作品を購入し、さらに作者のツイートを見に行きました。ところが、そこにはあなたにとって許容できない発言(ヘイト・差別・罵倒など)が並んでいました。 今後どうする?

気にせずor気にはなるが買い続ける。作者と作品は別 40票
購入頻度を減らす(よっぽど好きな作品だけ買う) 20票
図書館・古本屋などで入手。作者にお金を回したくない 10票
完全にファンを辞め、作品も見ない・買わない 38票


「気にせずor気にはなるが買い続ける」が一位。しかし、「完全にファンを辞め、作品も見ない・買わない」が二位。
まさに両極端な結果に。

選択肢1・2が買う派。56%
3・4が買わない派。44%
こちらもほぼ半数。



ツイッターで紹介した記事にもあるように、創作者が無名時代につぶやいていたヘイト言動が、有名になるにつれてピックアップされるという現象が最近多発。
アマチュア、もしくは同人活動内でやっていればまだしも、商業になるとやはりまずい模様。

もちろん、一般常識があって、性格も良くて、創作能力が高ければ何の問題も無いわけだが、なかなかそううまくはいかない。
常識があっても、創作能力が低ければ、(例外はあるにしても)商業でやっていくのは難しい。したがって、プロの中でも今回のようなケースは出てくる。

かつ、SNSは、ほとんどの場合誰の目も通さずに本人がそのまま思ったことを書くために、思想が露わになりやすい、という特徴もある。





かくいう僕も、炎上すれすれのつぶやきが少なくない。
もし、もうちょっと有名で、フォロワーが何千人単位でいたら、きっと二度や三度の炎上では済まないだろう。


なので、書く側としては、「作者と作品は別」と言っていただけると大変ありがたい。
しかし、読む側としては、あまりに極端なことを言われる方の作品はちょっと……という気もしないではない。勝手なもので。


僕自身は、物書き同士であろうと別に仲良しこよしである必要は無いと思っているので(仲が良いに越したことはないが)、僕個人を好きであっても嫌いであっても特に問題はない。
ただ、物書きの間でいさかいが起きた場合、僕も含めて、自身の行動をお得意の文章力で正当化していく傾向があると思われる。(※個人の感想)
しかし、自分の中ではうまく「やれている」と思っていても、多くの読者はそれを敏感に感じ取る。


だから……


この後は、書かなくてもわかりますよね?

自戒自戒♥



RT&いいね&投票ありがとうございましたー!




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えろパワー最強??

2018年08月04日 23:02

先日、あるツイートをきっかけに、こんな記事を読んだ。

ラノベ作家、「低評価」口コミに猛反論 「単なる読解力不足」と苦言

この作者の独自の文体もさることながら、それが商業出版として販売されている事実に衝撃を受ける。


これは、一体どういうことなのか……。


そんな疑問を抱いた僕は、久々にアンケートを実施することに。

【質問】最近セリフと擬音が多く、描写が極端に少ないライトノベルが話題(?)になっていますが、もし、ゲイ向けでそのような小説が発売されたら、あなたは買いますか? (レスに例文を掲載しています。ガテン系絡み)

なお、文章のみで、挿絵は付いていないものとします。


【例文】
「どうだ、気持ちイイか?」
 グチュッグチュッグチュッグチュッ
「いいよアニキ、俺イッちまいそうだ」
 ズンッズンッズンッズンッズンッ
「オラオラ口がお留守になってるぜ」
 ズニュッ
「ヴヴーッ!!」
「気ぃ入れてしゃぶれよ」
「ウッス」
 ペロペロペロペロ

※ガテン系のサカリ合い



エロシーンが濃ければ買うかも 32票
ちょっと無理。買わない 29票
むしろ普通の小説より読みやすくて好き。買いたい 4票
上手い下手に関わらず小説自体苦手。買わない 4票



まさかの「買うかも」が一位。しかし、僅差で「買わない」が二位。
これは……どうとらえればいいのか……。

だってねー
この例文なんて五分もかからずに書いたんだよー。

どこかで見たようなキャラ
どこかで読んだような設定
擬音のみでどういう態勢で何をしているのか、さらにはキャラの顔かたちも不明


それでいいの……?



無料公開ならまだわかる。
でも、有料なのですよ……。


そ れ で い い の ……?

エロパワー恐るべし。


あと、少数派ながら、
むしろ普通の小説より読みやすくて好き。買いたい 4票
上手い下手に関わらず小説自体苦手。買わない 4票

も。

なるほど……。
これが今の読者傾向か……。

もし、五年後、いや三年後、同じアンケートをしたとして、投票の割合がどう変化しているのか気になるところ。


これからは

グチュッグチュッグチュッグチュッ
ズンッズンッズンッズンッズンッ


で小説を量産するか……。


うそです。


うそですが
これまでの、僕の文章に対する考え方に少なからず影響を及ぼした結果に。



文体
変わるかも??



投票してくださった方々
いいね・RTしてくださった方々

本当にありがとうございましたー!



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満十年

2018年07月25日 23:21

どうも、ブログではお久しぶりです。
飛田流です。


最近放置気味のこのブログですが、

本日

このブログを開設してから

饅頭ねん

満十年

が経過しました。


おめでとう俺!




一番初めの記事はこちら はじめまして、ひだりゅうです。
僕のイメージでは、まだ猫をかぶってると思っていたのだが

>「チ●ポ」とか「ケツマ●コ」とか、そういうワードで飯食ってます。

「芸風」は今とさほど変わってなかった




この当時は、ゲイ向けサイトの小説担当に起用されたばかりで、希望に燃えていたころだったかもしれない。翌年更新停止になるとも知らずに。
「温和キャラ」で行こうと思っていたので、まだ文章に遠慮が残ってる。

ブログを書き始めたころは、「飛田流」という人物と拙作の宣伝も兼ねて、わりと頻繁に更新していたのだが、より気楽につぶやけるツイッターに現在では軸足が移っている。
ブログで何を書いても、さほど反響があったわけでもないし。

最後にコメントをいただいたのは何年前だろう……。



この間、
ゲイ向けサイトが閉鎖
BLゲームのシナリオを書かせていただき

そして

活動はそれ以上の展開を見せることもなく、
個人《ソロ》で小説を販売している。時々。



まさに見事なまでの落ちぶれっぷりだが、本人的には、最初(活動初期)が幸運すぎたのであって、


本来あるべきポジションに戻った


と考えている。




本当。




今後の活動予定とか書いてみましょうかね。




ツイッターでぐだぐだ




のほかに




エロ以外の活動もやってみたいと、ほんのちょっとだけ思っている。




もともとエロを書きたくてこの活動を始めたわけではなく


早急に金が必要だったため


それを書き始めた経緯がある。


しかし、僕が書くエロは、一部を除いて決して売れ行きがいいとは言えず、

どうせ売れないなら、別のこともやってみたいと思った次第。




ただ

何事にも「覚悟」が伴わない僕のことだから、

実現はまだ先になりそう。


追いつくか寿命??





えー、まあそういったわけで


相も変わらずのテキトー人生ですが



ご興味のある方がもしいらしたら

今後とも

どうぞよろしくお願いいたします。




では、


十一年目へ。



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おじさんは悪くない

2018年05月07日 23:32

空港投稿おじさんアンケート結果!

【質問】二人の人が同じ写真と文章をSNSに投稿したとします。
写真……チケットとシャンパンと空港のラウンジ
文章……さて、私はどこに行くでしょう?
一人は旅行に行く20代女性、もう一人は出張に行く40代男性。 あなたならどう感じる?

両方とも違和感無し、全く気にならない 15票
20代女性にイラッ、40代男性はOK 4票
40代男性にイラッ、20代女性はOK 0票
両方ともイラッ 9票


というわけで、「全く気にならない」が一位ではあるものの、第二位が「両方ともイラッ」。さらに「20代女性にイラッ」が三位。
記事で叩かれていた「40代男性にイラッ」はまさかの0票。
どういうことなの……。

僕自身もおじさんなので、おじさんの気持ちは多少わかります。
もし、おじさんが

写真……チケットとシャンパンと空港のラウンジ
文章……さて、私はどこに行くでしょう?

の投稿をしていたら、「あー、非日常を楽しんでるのねー」としか思わない。男って単純だし。
もし構ってほしいのであれば、「いいね」があるまで「答え、わかりましたかー?」のように何度も投稿を続けると思う。

むしろ、「20代女性にイラッ」が4票もあったことに驚き。
それこそ記事中での「自己顕示欲」が透けて見えるように思われたのだろうか。

「両方イラッとする」人も多かったけれども、若い女性・おじさん関係なく「リア充」アピールを嫌う層は一定数いるらしい。、
かつ、空港で写真を撮ってSNSにアップするのは、おじさんだけに限らない。



というわけで、

「おじさんは悪くない むしろかわいい

を結論とさせていただきます。


投票ありがとうございましたー!




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男・女・「その他」??

2018年04月12日 23:00

 ツイッターでも書いたように、最近アンケートなどの性別欄で、男、女ともう一つ、「その他」を選べることが増えてきた。

 僕は単純なので、ホイホイと「その他」を選ぶことが多い。
「わかってるじゃーん」という感じ。


 当然、読者の多くのみなさんもそうなのだろう、と思い、先日、アンケートを実施。

【質問】ゲイの方にお訊きします。最近アンケートなどの性別記入欄で、「男」「女」の他に「その他」も選べることが増えましたが、あなたならどれを選びますか? あるいは普段どれを選んでますか?
なお、いずれを選んでも、罰則・優遇いずれも無いものとします。


どの場合でも「男」のみ 4票
本名などを書かなければ「その他」 0票
本名を書く場合でも「その他」  0票
特に決まっていない・回答する内容による 0票



 ええ……と思って、再度質問。


【追加質問】先日ゲイの方に、アンケートに回答する際、性別欄は「男・女・その他」のどれを選びますか、とお訊きしたところ、全員の方が「男」と回答しました。
本名を書く必要が無くても、なぜ「その他」ではなく「男」を選ぶのか、その理由をお聞かせください。


なんとなく・昔からの習慣・「その他」に馴染みが無い 0票
ゲイバレ防止のため(ゲイ差別がなくなったら選ぶかも 1票
「その他」がざっくりし過ぎ(「ゲイ」なら選ぶ) 2票
プライバシーに踏み込まれているようで抵抗がある 1票



「その他」がざっくりし過ぎ、が1位ではあるけど、意見が分かれた。
 なるほど……。

「ゲイ」があれば選ぶ人と、逆にゲイバレが嫌な人、そして、いちいち性的指向を書くのに抵抗を感じる人――どれも気持ちはわかります。

 僕個人は、たとえば「その他」ではなく、ゲイ・バイ・レズビアン……とあんまり細分化されると、抵抗を感じるタイプ。
「その他」ぐらいのアイマイさがちょうど良い。


 ……あ


 僕、職業欄でもよく「その他」を選ぶので、そんなに抵抗がなかったんだった……。



 投票ありがとうございましたー!




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    他言無用!(中篇)



小説『他言無用!』中篇 体験版

2018年03月04日 21:09

 小説『他言無用!』中篇の冒頭部分を、販売に先駆けて先行公開させていただきます。
 登場人物の解説・これまでのあらすじはこちらのページをご覧ください。
 前篇の冒頭部はこちら





 小説『他言無用!』中篇 体験版




   4

 ――十二月二日、午後九時三十八分。
 勇一が北平駅の改札を出てすぐに、真っ向から身を切るような鋭い風が襲い掛かってきた。

「……さむ、っ」
 マスクをしていても、鼻がちぎれそうなほどの痛みを感じる。
 ビジネスバッグを右手に提げ、早足で駅前アーケードを抜けた勇一の足音が、街灯にぼんやりと照らし出された夜道に寒々しく響き渡った。
 ――『あのさ……今日はいつもと違うとこで飲まね? “例の件”も田上に相談してえし』
 ――『……あ、うん』
 そのあとの出来事を思い出すだけで、奥歯がまたカタカタと震えてくる。

(落ち着こう……とにかく落ち着かなきゃ)
 いま自分にできることは一刻も早くアパートに帰り、今後のことを考える、それしかない。
 知らず知らずのうちに、何者かに背中を押されているかのように足の運びが速くなる。アスファルトを踏みしめる靴に、さらに力を込めようとした時、

「……え」
 右手の上方で、住宅の屋根を照らし出すように、禍々しくまたたく赤い光が目に入った。勇一のアパートがある方向だ。
 予想もしていなかった光景に、足がいったん止まる。呆然として数秒立ちすくんだあと、

「……!!
 すかさず弾かれたように勇一は駆け出し、角を曲がった。
 アパート前の道路には近所の住人らしき人だかりができて、赤色灯を点滅させたパトカーが停まっている。野次馬たちの向こうで、誰かと話している警官の姿がわずかに見えた。ざわめきの中で途切れがちに聞こえてくる相手の声は男で、かつ太い。

(……まさか)
 心臓を素手で鷲掴みされたような衝撃が走り、考える間もなく、勇一は見物人の後ろから割り込んでいた。

「すみません、ちょっと通してくださいっ」
 人垣の手前で、勇一の行く手を阻むように爪先立ちしている、ピンク色のダウンジャケットを羽織った小柄な老女に声を掛けた。

「なによぉ」
 栗色の髪の頭頂部に白いものが覗く彼女は、顔をしかめて振り返った。

「あらっ」
 勇一と気付いた途端に、目の前の丸顔から渋みが抜ける。このアパート「コーポ北平」前の一軒家に住む大家、卜部うらべみい・・だった。

「……!」
 勇一はマスクを外してコートのポケットに入れ、大きく眉をつり上げて口を開き掛けた彼女に、すかさず『申し訳ありません』と唇の動きだけで謝る。そのまま卜部の表情は見ないよう顔を伏せ、人を掻き分けて前に進んだ。
 人垣からようやく抜け出そうとした時、右足の爪先が誰かの体と引っかかり、

「っ……と」
 バランスを崩しかけた勇一の目に、警官と対峙している男の足元が飛び込んだ。

(……あっ)
 長い間穿き続けて、ところどころが擦り切れているジーンズの裾。
 かかとを半分踏みつぶしたスニーカー。

「だから! あんたもわかんねえ人だな!」
 悪役俳優のようにだみのかかった、低く太い怒鳴り声。
 血が凍る思いとともに、ためらいながらも勇一は顔を上げた。
 そこにいたのは。
 前のめりで拳を固め、警官に啖呵たんかを切っている、巨躯の男――安岡大吾だった。
 

 ――そのひと月前、十一月七日、午後十二時十四分。
 昼休みに突然、勇一は上司の谷越に、老舗料亭「小だま」へ連れてこられた。

「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」
 牡丹ぼたんの蒔絵が施された漆塗りの座卓に、松花堂弁当と、湯呑み茶碗がすでにあった。土瓶で茶を注いだ着物姿の仲居は、三つ指をつき六畳ほどの和室を出た。灯篭型の間接照明に薄暗く照らし出された店内通路の奥にある、小茶室風の個室である。
 ともすれば、ここが都会のビルの二階であることを忘れてしまいそうなほどの入念な「高級感」の演出に完全に呑まれた勇一は、向かい合って座る谷越に、多少引きつり気味の微笑を浮かべるしかなかった。

「――まずは」
 香ばしい茶のかおりが漂う室内で、谷越はまばたきを多くして、何か言いたげな様子を口元に漂わせたが、わずかに目を伏せると、

「料理をいただこうか」
 と、紙の帯が巻き付いている、手前の箸を持ち上げた。

「……はぃぃ」
 乾ききった勇一の喉からは思いがけず、どこか気の抜けたため息のような声が漏れる。上司の目の前での失態に、顔が一気に熱くなった。
 谷越に続いて勇一も箸を手に取ったものの、紙帯の処理に迷いが生じ、そっと谷越の手元を盗み見た。谷越は箸の側面を持ち、慣れた手つきで帯を外している。勇一も何食わぬ顔で箸帯を滑らせた。
 次に勇一の目は、馥郁ふくいくとした香りと湯気を立ち上らせている手前の茶へと吸い寄せられた。琥珀こはく色の液体を一気に飲み下すのを想像して、思わずごくり、と喉が鳴る。しかし、谷越は湯呑み茶碗に手を付けていない。

(……我慢しよう)
 勇一は箸を持ち直し、まずは最も無難と思われる、漬け物から口に入れた。ぽりぽりと咀嚼そしゃくする音をなるべく抑えつつ、味を感じる前にそれを飲み込む。谷越もいまだ話を切り出すことなく、黙々とお造りを口に運んでいた。
 二人とも無言で食べ始め、数分が経った。

(もう、いいかな……)
 食事を続けている谷越の気配を窺いつつ、勇一がそっと茶に手を伸ばし、数センチほど持ち上げたその時、

「田上君は、営業に戻る気はあるかい」

「……は?」
 呼吸が一瞬止まる。

「――え、営業? ですか」
 思わずなりかけた友達口調を、すかさず軌道修正した。
 勇一が今年の三月まで、入社以来六年間在籍していた営業部では、成績が下位の者を罵倒に近い言葉で上司が追い込む「詰め」が日常的に横行していた。そんな殺伐としたかつての職場と、常に平穏なFDファイナンス・ディーリング部とでは、どちらが居心地が良いかは比べるまでもない。しかし、上司との摩擦を除けば、営業の仕事はそれなりにやりがいもあり、二度と戻りたくないということでもなかった。
 ただ、いずれにしても、即答できる話ではない。

「今すぐにはちょっと……申し訳ありません」
 谷越は「そうか」とひとつうなずいて口を引き結び、考え込む表情を見せてから、

「私としては――」
 そのあとにこう、続けた。

「君を失いたくない」

「……えっ」

 続きは本編でご覧いただけます。




 無料体験版はここまでです。この続きは製品版でお楽しみください。

 *******

 小説『他言無用!』中篇・体験版をお読みいただきありがとうございました。
 この続きにご興味のある方は、ダウンロード販売予定の本編をご購入いただければ幸いです。

 詳細はまた後日お知らせさせていただきます。


 乞うご期待!


 してください、ね。
 できれば。



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勇一・大吾シリーズ第四弾(その二) 『他言無用!』中篇
予告動画

    

シリーズ解説ページ 

リア充はどこへ??

2018年02月28日 22:43

二月も今日で終わり。

伸ばし伸ばしにしてきた例のアンケートのコメント。

やっつけてやる!!!


【質問】今日(2.14)、誰からも何ももらわなかった、独身の方にお訊きします。(家族からの贈り物は除く)
率直な今の気持ちは?


特に何とも思わない・欲しいものは自分で買う 1票
リア充爆発しろ(直球) 0票
もう諦めている・来世に期待 0票
今日はふんどしの日でしょ?(真顔) 1票



ちょ……。


そもそも

この時期チョコチョコって騒ぐけど、実のところみんなそんなにもらってるわけないよねー

という前提
あるいは思い込みで、質問したものの


まさかの二票

タグを付けてこの結果は、これまでで最低得票……。




こっ


このままじゃ終われねぇっ!!!

で、追加質問。

そんなに言うんなら(言ってない)、みんなチョコもらってんだよねっ!!!


【追加質問】2.14に「家族以外の誰からも何ももらわなかった人」に感想をお聞きしたところ、投票は2票のみに留まりました。
タグ付きで投票がここまで少なかったのは初めて……。


それではこの日(2.14)のあなたは、以下のどの立場に当てはまりますか。

義理チョコをもらった 2票
本命チョコをもらった 0票
私はあげる側 3票
やっぱり何ももらわなかった 2票





うーん、本命チョコをもらった人は(このアンケートでは)ゼロ。


この結果をどう受け止めればいいのか……。




結論


リア充はツイッターをしない(インスタしかやらない)






では、ごきげんよう。




投票ありがとうございましたー!




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マジ卍!?

2018年02月13日 22:48

 1億円(偽札)もらったらどうする? アンケート結果! 

【質問】やたらと羽振りのいいあなたの友人。実は完璧な偽札を作る技術を習得していて、あなたに仲間にならないかと言ってきました。信じないあなたの前に、1億円の札束をその友人は出します。
「とりあえずこれあげるから、信じたら仲間になれ」
どうする?

【設定】
・まったく本物と同じで見分けがつかない。銀行のATMにも入金できる
・印刷している場所は、町の印刷所 ・友人はヤバい筋の人ではなく、一般人。ただし、警察に通報すると当然恨まれるかもしれない
・秘密は絶対に守る、と友人は言っている
・1億円はもらったので仲間にならなくても返却不要

受け取らず黙っている 5票
受け取らず警察に通報する 8票
1億円は受け取り全部(か一部)使う。仲間にならない 5票
1億円受け取って仲間になる 3票


 一位は当然
 受け取らず警察に通報する
 だが、二位が
 受け取らず黙っている
 1億円は受け取り全部(か一部)使う。仲間にならない

 の二つ!

 マジ!?



 普通に考えれば、という考えなくても、この選択肢で選ぶのは、
 受け取らず警察に通報する
 だけ。
 あとの三つは罪に問われる可能性がある。百歩譲っても
 受け取らず黙っている
 でしょう。


 にもかかわらず……
 みんな意外とワルね。

 一億円~∞という金額に、惹かれてしまったのか……?


 僕?
 そうね……。


 友達がいないので。

 あっ、終わっちゃった。



 まぁ、いるとして、
 なぜ僕を引き込もうとしているのかが気になる。自分たちで儲けてればいいのに。(良くないけど)

 ただねー、一億円目の前に出されたらねー……。
 大いに迷うとは思う。

 ちょっとしたら、一生それで暮らせそうだし。

 でも、大前提が犯罪なので、やっぱ受け取れないかなぁ……。
 受け取ったとしても、使えない。小心者(ビビリ)だし。



 通報は……

 うーん……


 もちろんするべきなんだろうけど、相手との関係性にもよる。
 できれば、説得して、自首する方向に持っていきたい。

 なので、


 受け取らず黙っている
 受け取らず警察に通報する


 の間で揺れ動くかも。



 でも



 一億円~∞だしなぁ……。



 投票ありがとうございましたー!



 ※お金の偽造・偽造通貨の使用は犯罪です!!




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シリーズ解説ページ 

エゴと愛

2018年01月23日 23:04

 アンケート結果!

【質問】ゲイの方にお訊きします。 独身のまま亡くなった人の遺族が、架空の花嫁(or花婿)との「結婚式」を描いた絵馬をお寺に奉納する風習が実在。 もし、家族が、あなたが万一の時に「それ」をしたい(架空の女性との結婚式の絵馬奉納)と言い出したら……?(本気っぽい感じ)
家族の気が済むのなら絵だし別に構わない 5票
できれば(or絶対)やめてほしい 5票
(好きな女性芸能人等)が花嫁なら良い」逆に注文 0票
我慢できずカミングアウト 0票


 まさかの「構わない」「やめてほしい」が同率一位にびっくり。
「やめてほしい」が絶対一位になると思ってたのに。

 だって自分が死んだ後に、
 見ず知らずの(しかも架空の)女性と
 結婚式を挙げた姿を
 いつまでも晒されるんだよー。

 意外にみんな大人なのか、あるいは家族に申し訳ないという気持ちがあるのかも。



 個人的には
「このシステムってどうなの」
 って気持ちもある。

 だって家族に「こういう人と結婚したい」って言ったわけでもないだろうし、お相手の顔は完全に家族か絵師の好みということになるわけだし。

 ちなみに選択肢の中に
「相手を好みの男性の顔に書いてもらう」
 を入れようかとも考えたがこれだと

即カミングアウト

 になってしまうのでやめた。


 これがいわゆる家族の愛、ということはわかるんだけど……
 そこまでして「結婚」をさせるところに、
 ちょっとモヤモヤを感じる……。



 投票いただきありがとうございましたー。




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    ヤリてぇぇっっっ!!!


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